新登場!!Raspberry Pi B+最新情報

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2014年7月、Raspberry Piの新しいモデル「Model B+」が発売されました。特に大きく変わったのは外観で、コネクタの位置が移動して、とてもすっきりした感じになりました。またGPIOポートが増えていたり、USBポートが増えるなど、インターフェースが増設されています。一方でBとB+の間の互換性を保つため、CPUやメモリなどの基本的なスペックには変更がありません。そのためBで開発されたソフトウェアやハードウェアは、そのままB+でも使用できるように配慮されています。

ここではModel BとModel B+の違いや、本書を読み進めていくうえでの注意点などについて説明していきます。

B+ で変わったところ

  • USBポートが4つに増えた
  • BではUSBポートが2つだったのに対し、B+ではUSBポートが4つに増えました。
    またUSBの電源が強化され、4ポート合計で600mAまで流せるようになりました
    (設定変更で1.2Aまで対応可)。
  • GPIOポートが増えた
  • Bの基板上には26ピンのヘッダーピンがありましたが、B+では40ピンに増え、システムで使用できるGPIOポートが9個も増えました。
  • SDスロットがMicroSDになった
  • 基板の裏側にあったSDメモリカードのスロットがMicroSDになり、MicroSDメモリカード(microSDHCメモリカード)を使用するようになりました。
  • コネクタの位置が変わった
  • 基板上に取り付けられた電源などのコネクタの位置が変わり、配線がすっきりまとめられるようになりました。USBコネクタやLANコネクタの位置もまっすぐに並んでいて、見た目も美しくなりました。
  • ビデオのコンポジット出力端子が無くなった
  • B+ではビデオのコンポジット出力端子が無くなり、かわりに3.5mmジャックから取り出すようになりました。コンポジットのビデオ出力を行う場合は変換ケーブルが必要です。
     (※2014年7月時点では変換ケーブルは発売されていません)
  • オーディオの音質が向上した
  • オーディオ回路に低ノイズの専用電源が使用され、オーディオ出力の音質が向上しました。
  • LEDの位置が変わった
  • B+では、LANポートのLEDはLANコネクタの部分に、電源とSDメモリカードのLEDは基板の端に移動し、動作状態が見やすくなりました。
  • 消費電力が少し減った
  • B+では消費電流が600mAになり、Bと比べて0.5〜1W程度消費電力が減りました。
  • その他
  • 基板の角が丸くなった(角を手でつかんだときに痛くない)
    基板の固定用の穴が4つに増えた(しっかり固定できる)

    一方でCPUやメモリなどのハードウェアには変更は無く SoCはBCM2835、メモリは512MBと今まで通りです。そのため今までBで使用してきたプログラムは、そのままB+でも使用することができます。GPIOポートのピン配置もBと同じ部分についてはB+も同じですので、Bと同じ配線のまま使用することができます。

    B+ のインターフェース

    Bではコネクタの位置がバラバラで、接続したケーブルが4方向から飛び出る形になり配線が大変でした。B+ではこの問題が大幅に改善され、ケーブルは2方向からの接続となりとても配線がスッキリしました。

    GPIOポート

    B+ではヘッダーピンが26ピンから40ピンに増え、システムで使用できるGPIOポートが9個も増えました。GPIO 5、6、12、13、19、16、26、20、21 が新たに使用可能です。 また、ピン番号1〜26についてはBと同じのため、B+でもBと同じように使用することができます。

    本書での注意点

    本書ではModel Bを対象に説明をしていますが、Model B+の中身はModel Bとほとんど同じですので、そのまま読み進めていただいても大丈夫です。今回大きく変わったハードウェア部分で、本書の説明と異なる部分について以下に注意点をまとめます。
  • B+ではMicroSDメモリカードを使用します
  • BではSDメモリカードでしたが、B+ではMicroSDメモリカードを使用します。取り付け位置は基板の裏側で、スロットにカチッという音がするまで押し込むと固定されます。取り出すときは引っ張らず、カードを押すとカチッという音がして飛び出てきます。また新しいOSはデータ量が増えていますので4GBでは収まらない場合があります。容量は8GB以上のものをおすすめします。
  • GPIOポートのピン番号1〜26はBと同じ
  • 本書ではGPIOポートのピン番号1〜26までのピンを使用していますが、B+でも配線は全く同じです。B+でも本書の図の通りに配線すれば同じように動作します。
  • GPIOポートのPin 1(ピン番号1)の目印がない
  • Bでは基板上の四角いマークある場所が、Pin 1(ピン番号1)でしたが、B+には目印となる四角いマークがありません。BとB+で位置関係には変わりはありませんが、詳しくは前ページの写真を参考にしてください。
  • コンポジット出力端子を使用する際は変換ケーブルが必要
  • 本書ではRCAケーブルで、コンポジット出力端子からテレビに接続する方法を説明していますが、B+でコンポジット出力端子を使用する場合は、別途変換ケーブルが必要です。なおサウンドだけ出力する場合は、そのまま3.5mmジャックにステレオプラグを挿せば使用できます。
  • セルフパワー方式のUSBハブは無くても大丈夫
  • BではUSB機器を接続するために、セルフパワー方式のUSBハブが必要でした。B+ならUSBハブを使用せずに、直接本体に接続することもできます。B+ではUSBコネクタを抜き差ししても動作が不安定にならないように、USBの電源回路が強化されています。さらにB+では、USBポートに4ポート合計で600mAまで流すことができるようになりました。しかしそのぶんRaspberry Piの電源に流れる電流も増えますので、Raspberry Pi本体の分とUSBポートの分の両方の電力をまかなえる容量のACアダプタを使用するようにしてください。(ハードディスクなどの消費電力が大きい機器を接続する場合は、セルフパワー方式のUSBハブが必要になる場合もあります)